ターマルブータのアリフ化法則

 エジプト方言でالسنة ديは、必ず「イッサナーディー」(ナーにアクセント)と発音され、「イッサナ・ディ」とはなりません。ですから、表記としてはالسناديという書き方もよく見かけます。
 もちろん、一般的には、例えばالعربية دي「イルアラベーヤ・ディ」のように読まれるので、ターマルブータがアリフのように発音されるのは、あくまで例外です。
 短い単語だとこの現象が起こるのでしょうか。でもالقطة ديは「イルオッタ・ディ」で「イルオッターディ」にはなりません。エジプト人に聞いてみたところ、「イルオッターディはかなり変だけれど、地方や人によってはそう読むかもしれないし、全然あり得ないという程でもない」とのことでした。とりあえず、わたしはそう発音する人に会ったことがありません。
 一方、الدرجة ديは「イルダラガーディ」、つまりアリフ化したالدرجاديが普通の発音です。短ければアリフ化が起こるわけでもなく、多少長くてもアリフ化する場合もあります。
 要するに、繁用されて一つの単語のように使われている場合にアリフ化が起こるらしいのですが、今ひとつ法則が見つけられません。
 多分、注目して分析している人がいると思うのですが、わたしは言語の研究者でも体系的に学んでいるわけでもなく、何となく習得していっているだけなので、法則が分かりません。
 どなたか知っていたら教えて頂きたいものです。

 ちなみに、فاطمةがファーティマではなくファトマになる、アリフ消失とその後の母音が欠落する現象は非常に幅広く見られ、勝手に「ファトマの法則」と呼んでいますが、これは「二番目の子音が母音なしになっても構わないっぽい時」に起こる、という法則があると思っています(فاعلةワズヌの時は必ず消失するが、他のワズヌでは常に消失するわけではない)。二番目の子音が絶対母音付きになるパターンの単語の場合、アリフは消えません。これは母音が三連続したりすると(第一子音は必ず母音が付き、女性形の場合は最後も母音が付くので、第二子音がポイント)エジプト人的に「重い」ので、スクーンとしてのアリフを残したい、という働きがかかるからではないか、と解釈しています。

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