良心

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 迷いと選択はまた、人間が地上で唯一良心を持つ存在であることを意味している。時にわたしは、アッラーのみぞ知るところだが、主はわたしたちの良心に基づいて善悪を勘定されるのでは、と感じる。秘密の隠れ場であり、人間を動かすものであり、それに向きあわせるものだ。この良き地上に数千年前に生きたわたしたちの先祖は、死者たちの書に、死者はその心臓を天秤の片側に乗せられ、もう片方には羽が置かれる、と書いている。羽は、人間の心臓と比べうる最も軽いものだ。難しい試験だ。心臓が羽より軽いかもしれない。良心が羽よりも軽いかも知れない。良心が羽より軽いなら、そなたに呪いあれ、だ1
 良心は秘密の中の秘密であり、良心は良いことと悪いこと、善と悪の違いである。良心は、わたしたちの創造主がわたしたちの中に似せておかれたものである。良心は、あなたが善良で、親切で、優しく、勇敢であるよう求める。よく働き純潔を愛されるよう求める。良心はあなたに、人を怒らせないよう求め、打ち負かすよりは打ち負かされているよう求める。良心はあなたに、誠実で忠実で、約束を守るよう求める。良心は、あなたがありたいと思うものであり、アッラーがあなたにあられようと望まれるものである。
 良心はあなたの秘密であるから、これを守られたらよい。良心以外に、根本的に重要なものはない。役に立つものはない。良心は、あなたがまぶたを閉じ心地良く眠れるか、あるいはまったく眠れないかを、決められる唯一のものだ。良心は、あなたの持つ最も偉大なものだ。
 アッラーよ、力と能力を与えて下さい、良心を満足させ、あなたを満足させるように。

  1. ここでの「死者たちの書」は古代エジプトのもので、その思想では、人は死後、心臓を羽と天秤にかけられ、心臓が羽より軽いと地獄に落ちる、とされていたらしい []