かつて革命があった

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かつて革命があった
ムハンマド・ファトヒー
كان فيه مرة ثورة
محمد فتحي

革命日記
かつて革命があった 1
かつて革命があった 2
かつて革命があった 3
こう言われたらこう言え
民衆は体制転覆を求める(1月25日の最も有名な100のシュプレヒコール)
ウマル・スレマーンとラアファト・アル=ハッガーン
 
 エジプト革命についての大衆書籍。
 専門的な政治的視点で革命を見たものではなく、客観性には欠ける一方、一市民の視点から描かれていて、エジプトらしいジョークと皮肉に溢れている所が魅力です。
 表題となっている「かつて革命があった」は、まだ幼い二人の子供の未来に向けて書かれた手紙、という体裁をとっています。ほとんどすべてアーミーヤで書かれていて、筆者の幼い時分からはじめ、ムバーラクに対する見方がどのように変わっていったかから、革命そのものの描写まで続きます。本書の半分以上はこの章が占めています。
 この章で語られるエジプトの諸事件は、エジプト人なら誰もが知っている有名な出来事で、エジプト社会を知る契機にもできるでしょう。ひたすら汚職に対する愚痴を様々な描写で繰り返しているところはやや冗長でもあるのですが1、後半の革命リアルタイム描写は手に汗握り、感動で涙が浮かぶほどです。
 その他いくつかの小ネタが収められていて、フスハーの部分とアーミーヤの部分があります。
 大衆本なので、どの章をとっても言語や文化に密着したジョークの連発で、翻訳してしまうと今ひとつ面白みの伝わらない部分も少なくありません。そこは残念なのですが、大衆目線での腐敗政権への怒り、革命の興奮が少しでも伝われば、と思っています。

  1. ちなみに、この種の冗長さというのは、アラビア語文脈全般に見られるものです。内容的に大したことのないものを、ひたすら修辞や表現を重ねてダラダラ続ける文章が良くあります。翻訳してしまうと本当に文字通り冗長なだけなのですが、アラビア語の状態だとそれなりにカッコ良く、伝統のようなものだと受け止めて下さい。一般にアラブでは、大げさな表現を何度も繰り返し滔々と語る、弁舌の立つ人物が尊敬されます。 []

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