おそらく皆さんすべてがご存知の、美しい物語がある。念の為に、手短に申し上げる。
気が狂ったかのように怒りっぽい少年がいた。何にでも怒鳴りちらし、物を投げて壊し、叱られたら罵った。彼の父は、彼にこう言った。「怒る度に、壁に釘を打ちなさい」。
実際、少年はその通りにした。癇癪を起こして怒鳴る度に、戻って壁に釘を打った。壁が釘で一杯になった。その光景を見た少年は、メッセージを理解した。変わらなければならない、と感じた。そう父に言うと、父は言った。「よろしい。これからは、前だったら怒っていたようなことで我慢して怒らないでいられたら、お前が打ち付けた釘を壁から抜きなさい」。少年はその通りにした。毎日一本、あるいはそれ以上の釘を壁から抜き、最後には全部を抜き去った。父は彼に素晴らしい、よくやった、だが壁を見てみろ、と言った。壁は釘を刺した穴で一杯だった。
これは、人生において実際に起こることだ。過ちを犯す度に、穴ができる。例え過ちを正し、それをやめても、穴は残っている。
(この物語を、美しくも醜いカイロに贈る。毎日穴だらけにされる美しき街。まるで悔い改めることなく)