『原発のウソ』小出裕章

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4594064205 原発のウソ (扶桑社新書)
小出裕章
扶桑社 2011-06-01

 ネットで非常に話題になった本であちこちで紹介されていますし、内容的にはこれまたあちこちで書かれていることとほぼ同じです。また、5月頃に出た本ですので、時期ものとしては既に遅いのですが、流石によくまとまっています。小出先生関連のテクストをネット上であまり読んでない、という人は、とりあえずまとまっているので買っておいたら良いでしょう。
 一点、あまりよく知らなかったのは、六ケ所村では、本来の原子炉等規制法の基準をはるかに越える濃度の放射性物質が、「合法的」に日々そのまま排出されているそうです。
 まぁ一時間で読める本なので、とりあえず読んでみてください。

 それでも原子力を捨てることができないのは、電力会社だけでなく三菱、日立、東芝といった巨大企業が群がって利益を得ているからです。次第に肥大してきた原子力産業は全体で「三兆円産業」と呼ばれるほどにふくれあがり、すでに設置してしまった生産ライン、育成・配置してしまった人員も膨大です。もはやどうにも泊まれない状態になっています。
 しかし、これは原発と関係のない企業から見ればとても迷惑な話です。原子力産業の利益は、早い話が電気料金に上乗せされてますから、第四章でご紹介したアルミ精錬業界のように、その負担のために潰れてしまう産業も出てきています。企業が自前の発電所を持つようになってきたのも電気料金の負担を避けるためだし、生産拠点の海外移転、つまり「産業空洞化」の大きな原因にもなっています。日本経済全体が原発という「重荷」に耐え切れなくなっていたのです。



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