エジプトでデモ隊に対して軍が発砲し二人死亡、というニュースがありました。
エジプト軍「今後デモ隊は排除」 – Google ニュース
しかし、先ほどエジプトと話したところでは、この話はガセっぽいです。「そういうことはなかった」というのではなく「そういう噂が広まっていて残念だ」という話を聞きました。ソースは友人の一般市民なので、確証はありませんが、不確かな噂が堂々とロイターあたりから流れてくるのも珍しくない世界ですから、あり得る話でしょう。
個人的に知っている範囲では、軍に対する市民のイメージは依然良いです。「軍との不和を望む人々による陰謀だ」という、例によって穿った見解を聞きましたが、それがあながち勘ぐりすぎでもないのが中東という場所ですね・・・。
現在カイロでは、深夜3時から5時まで(ファジュルまで)、治安上の目的で外出禁止となっているそうです。先週の金曜日も汚職追放を求めるデモが行われたものの、平和的なもので、ほとんどの人は外出禁止時刻の前に解散した、とのこと。ただ一部が深夜2時になっても解散せず、そのことで軍との間で小競り合いがあったようですが、発砲などはなかった、と聞きました。
井戸端ソースなので不確かではありますが、わたしは日本に流れてくるニュースよりは信用しています。
全然関係ありませんが、また革命の歌の動画。曲調も歌詞もとても美しいです。
عزيز الشافعيアズィーズ・アル=シャーフィイーとرامي جمالラーミー・ガマールのبحبك يا بلادي「祖国よ、愛している」。
祖国よ 祖国よ 愛している 祖国よ(×4)
母に言ってくれ 悲しまないで、と 僕のために泣くのはよして、と(×2)
彼女に言ってくれ 悲しまないで、と 母さん、僕が死のうと祖国は生きるんだ
必ず彼女の手にキスしてくれ 祖国に挨拶してやってくれ
祖国よ 祖国よ 愛している 祖国よ(×4)
貴女の旗を手に 我が身を火と銃弾と鉄が(降り注ぐ) 我が名は殉教者(×2)1
おおエジプトよ、貴女は美しく新たな装いをまとい 僕はこの世に別れを告げる
最後の呼吸で僕は呼びかける 祖国を愛していると
祖国よ 祖国よ 愛している 祖国よ(×4)
天使たちが僕の周りで飛んでいる 愛しい人よ、この別離の時は特別だ(×2)2
彼らと共に僕は行く 貴女とお別れだ ごきげんよう3
彼らが僕に言う さあ天国へ行こう、と 僕は彼らに言う 天国とは祖国のことだ、と
祖国よ 祖国よ 愛している 祖国よ(×2)
言葉も平易でゆっくりした歌なので、外国人には有り難いです。
個人的にはこの手の浪花節感情は大好きなのですが、一方でナイーヴなナショナリズムに直結しかねない危うさを波乱でいるのも事実です。ただ、例えばこの歌に代表される場面では、国家というものと郷土愛的心情の間に一定の距離があります。何せ国の為に戦う相手が、国家やら政府やらなのですから。郷土愛や愛国心といった心情は、至って素朴で主の与えたもうたままの感情でしょうが、ネイションの概念と複合的に結合されると、不気味な化物に育っていきます。などというお話は、教科書的にすぎてもう面白くも何ともありませんが、一応お約束でおさえていきます。
わたしは反主知的主意主義者という限りにおいて右翼ですが、郷土を破壊し同胞の住処を奪う発電所を批判する者が排外主義者に左翼呼ばわりされる国では、愛国心もうかつに吐露できません。