エジプトの「イスラーム化」?

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 欧米メディアおよびその受け売りの日本のメディア等で、エジプトで同胞団等が力を持ち「イスラーム化」することを懸念する声を聞きますが、ほんの一ミリでもエジプトとイスラームを知っていれば、色々な意味でお笑いでしかないのは自明です。今よりはいくらか「イスラーム的」になるかもしれませんが、それは大変結構なことです。ユースフ・アル=カルダーウィーがエジプトに戻り、金曜礼拝でイマームを務め、この時の振る舞いが同胞団贔屓すぎて懸念する意見を目にしましたが、これも杞憂ではないかと思います。大体、アル=カルダーウィーにせよ同胞団にせよ、(残念ながら)そんな大胆な「イスラーム化」を実現する力はないでしょう。
 先日skypeでエジプトの友人と話していて、「そんなことより『ヨーロッパ化』してしまうことの方がずっと心配だ」と言われました。彼女は真面目なムスリマではありますが、割と「欧米的」な発想をする人で、そういう人でも「イスラーム化」よりは「欧米化」の方がずっと大きな脅威だ、と言っているのです。
 検閲についても、政治的検閲は排除しなければならないが、文化的なフィルターはかけるべきで、子供までもが退廃メディアに汚染されるのは防がなければならない、と主張していました。個人的にも同感です。
 まぁ、外山恒一氏の言う通り「戦争は遠い国ではなく今ここで進行」しているわけですから、エジプト革命のことより、この地でジャーヒリーヤの迷妄を破壊し、現代の部族主義を生きる不信仰者たちをあらゆる手段で撹乱し地獄の底に叩き込むことこそが重要だと思いますが。