「ロックは世界を救う!」と、「イスラームこそ解決1」はよく似ている。「音楽と信仰」で触れたような意味で。
ロックもイスラームも、多分世界を救わないだろう。というよりどちらも、よくよく考えれば、こう言うことで要するに何を言おうとしているのか、さっぱり分からないフレーズだ。
これは歌のサビのようなもので、意味などなくても機能はする。意味があるように見えることは重要だが、実際に意味があるかどうかはどうでもいい。
ロックは世界を救わないと思うが、「ロックは世界を救う!」と訳のわからないことを叫びながら歌っているうちに、何かを救い続けてはいるだろう。
救済や裁定が将来において到来するという言明は、大抵の場合、その響きによって、今現在(些細なものであれ)何かを救い、裁定し続けている。そういう音楽が世界に鳴り響いている。