アラビア語を学んでいると、時々異様に内側からの圧力が高まり、テンションが上がり、「これは神の言葉に違いない」と確信することがある。
クルアーンはアッラーから直接下されたのだから、実際神の言葉なのだけれど、そういうことなら、おそらくクルアーン以前に各民族にはそれぞれの言葉で啓示があったはずで、別にアラビア語の専売特許ではない。
でも少なくとも、現在一定以上の話者人口と影響力を持つ言語の中では、アラビア語は「神の言葉」に一番近いはずだ。
この興奮をアラビア語を知らない人に伝えるのは難しいし、もちろん贔屓の引倒しも良いところなのだけれど、例えば同音異義語が非常に少ない、という、「アーキタイプ言語」の特徴をアラビア語は備えている。造語力が高く、借用語が少ない、というのは客観的に見た時のアラビア語の特徴の一つだ。
まぁそんな細かいことはいい。とにかくこの圧力は何だ。
圧倒的な力が、わたしたちを世界へと押し出したのだ。そういう確信を抱く。
わたしたちは、その場所から遠く離れてしまったが、遡り辿ることはできる。常に遡行しなければならないのだ。