Categories: 書評

『アラビア語の歴史』水谷周


アラビア語の歴史

 タイトル通り、アラビア語の歴史概説書。
 これは面白いです。オタク心くすぐる一冊です。別にゴリゴリにアラビア語を学習していなくても、ちょっとかじった程度の方でも楽しめると思います。
 お約束通りジャーヒリーヤから順に語られているのですが、アラブとしての歴史と同時に、西洋からの視点も併記されていて、この対照が「アラブ的思考」を感じる上でも役に立ちます。
 個人的関心としては、現代アラビア語の整理とアーンミーヤについての記述が豊富なのが嬉しかったです。
 web関係の記述で一部不正確なものがありますが、意図は汲めます。こういう「ITはちょっと苦手」な感じの方の方が、何となく可愛らしくて好感が持てる気もします(笑)。

kharuuf

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