Categories: 書評

『イスラームとコーラン』牧野信也

イスラームとコーラン (講談社学術文庫)
牧野 信也
講談社 1987-10

 ハディースの翻訳者牧野信也先生によるイスラーム概論。
 アラブ・イスラーム関係に親しんでいる人間にとっては「またか」という教科書的内容ですが、二十年も前の書籍であり、むしろこの辺りが今の「大前提」となった文字通り教科書なわけで、当然と言えば当然。本当に「最初の一歩」としてなら読んで損はないですが、同じ「大御所の紹介本」なら牧野信也氏の師、井筒俊彦大先生による『イスラーム文化 その根柢にあるもの』の方がお勧め。文体のノリもこっちの方が面白いです。
 いずれにせよ「叩き台」を作った人たちは偉大なわけですが。

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