読んでいる小説の中で、ثلاثة أطفال مقنفدينというフレーズがありました。
مقنفدينというのが何だか分からず、辞書にもないのでエジプト人に尋ねたところ、笑って教えてくれました。
مقفدينはقنفدから来ているのですが、これも辞書にはありません。これはアーンミーヤなので、フスハーではقنفذ、つまりハリネズミです(元のقنفدのقはءで読む。つまりウンフドゥのように発音する)。言わば「三人の子供がハリネズミってる」と書いてあるのですが、「ハリネズミってる」とは、要するに「体育座りしている」という意味でした。
ハリネズミの丸くなっている様子と似ていることから、こう表現するようです。面白いですね。考えてみれば「体育座り」という言葉もどうかと思いますが。
ちなみにこの文章は、アーンミーヤの部分とフスハーの部分がある小説の一部なのですが、この部分についてはフスハーで書かれています。にも関わらず、قنفذと書かれずにقنفدと書いています。この表現自体がアーンミーヤ由来のものだからでしょう。こういうミックスは頻繁にあるもので、別に両者の間に絶対の垣根がある訳ではありません。
前のエントリでも書きましたが、「正しいアラビア語」も「正しい日本語」も、純粋に政治的仮構に過ぎません。もちろん、ある一定の範囲で役に立つ仮構ではありますが。