Categories: 書評

『アラブ的思考様式』牧野信也

アラブ的思考様式 (講談社学術文庫 398)
牧野 信也
講談社 1979-06

 名著。
 アラビア語をある程度理解し、かつ言語の視点からアラブ的思考を考えたい、という人にはこれ以上面白い本もなかなかない。わたしにはぴったりだった。
 アラビア語を知らなくても、言語と思考様式という切り口に関心があれば、必ず楽しめるだろう。
 勿論こうした種類の「文化考」、つまり文化人類学的アプローチではなく構造的・演繹的な視点によるものには、単純化に過ぎステレオタイプに囚われてしまう危険もあるわけだが、そうしたことは筆者も了解済み。わかった上で、一つの試考として分析してみよう、ということだ。

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