この世の素晴らしきかな

 確かにこの世は、しばしばくだらなく、物質的で、無知と盲信と悪と愚昧に満ちて見える。確かに、ほとんどの人間は、利己的で強欲で思慮がなく近視眼で愚かだ。確かに、世界はあらゆる種類の悲劇に満ちている。しかしそれでも、人生は実に美しい。人生は美しい、子供の無垢さがあり、高貴な人々、男らしく強い男たち、美しく優しい女たちがいる限り。人生の美しさは、良き人々にある。人生の美しさは、純粋な友人たちにある。人生の美しさは、気狂いほどに子供たちを愛するすべての母と父にある。人生の美しさは、笑いと抱擁と涙と喜びにある。人生の美しさは・・。
 人生の美しさは、学ぶ能力と許しあう能力、許す能力にある。人生の美しさは、芸術と絵画と音楽と詩と物語にある。人生の美しさは、純粋さ、忠実さ、自己犠牲、信仰、愛にある。人生の美しさの美しさは・・。
 人生の美しさは、決してその状態のままではないことにある。美しさは季節と日の出と日没を変え、人生の美しさはそれを変える。美しさは、迷い、地紋、好奇心の宿るところにある。人生の美しさは、思い出と狂おしさの宿るところにある。

素晴らしきかな人生 その結末に至るまで
素晴らしきかな人生 パンくずたりとも

サラーフ・ジャーヒーン